AO入試の問題点について


坪井繁治さんの詩です

 

石は億万年を

黙って暮らしつづけた

その間に空は

晴れたり曇ったりした

 

 毎年のように高3生から「AO入試を希望します」と学校の先生に言ったら「自分で勝手にやってください」とか「私は反対です」とか言われたという話をよく耳にします。中にはAO入試と聞いたとたんに怒り出す先生までいるようで「文部科学省が推奨する入試制度のはずなのにどうして?」と不思議に思う子が多いようなので、そこの話をしましょう。

 

 反対する先生の思いはだいたい次の2点です。

 

  ①AO入試の内容が大学や学部ごとに違っていて一人一人に対応しきれない。

 

  ②入試にとって夏は1番実力を蓄えるべき大切な時期なのに、そこで時間を浪費すべきでない。

 

 今回は、この中の②について高校の先生もあまり知らない場合もありますので、詳しく話しましょう。

 

 AO入試では、一般的に9月の初旬に願書受け付けが始まります。提出書類は成績証明以外に、志願理由書(800~2000字くらい)と課題小論文(2000字のところが多い)が必要になる大学が多いと思います。柴田ゼミの場合は、だいたいこれに1週間程度専念してもらうことにしています。この提出書類の合否に与える影響はたいへん大きいので、何度も書き直して出来るだけ良いものを提出する必要があります。そして9月の中頃に1次の結果が判明して、合格すればだいたい10月の中頃に2次試験(小論文やプレゼンテーションと面接)になります。小論文やプレゼンテーションはテーマや傾向が分かっていますので、日々の勉強と並行しながら準備に2週間くらいかけてもらうことになります。ですから、必要な時間は1次の書類作成に1週間、2次は日々の勉強と並行しながら毎日2時間ずつ2週間くらいかけることになります。頭の切り替えが大切になりますが、うちでAO入試に取り組んで結果が不合格だったとしても致命的に入試が不利に展開したなどという例はひとつもありません。みんなそれなりに頭を切り替えて取り組んで、ちゃんとその後、志望校の合格を勝ちとっています。1学期の終わりの学校の三者懇談で怒る先生に「先生、そんなに心配しないで。ちゃんと頭を切り替えできるから・・」ぐらいの話を冷静に出来るといいなと思います。^^

柴田ゼミでは今年の2月以降にYouTubeチャンネル「柴田ゼミのAO入試講座」①~⑩を作成し公開しています。またこれからも更新していく予定ですので是非ご覧いただき、参考にして下さいね。

打製石器の矢じり